どうも、太陽です。(No35)
以下の記事で、「進化が全て良いわけではない」という内容の記事を書きました。
https://osusume-etc.com/essayliterature/417/
進化論否定「進化が全て良いわけではない」
例えば、以下の事例が「進化が全て良いわけではない」事例に当てはまります。
1 | 3Dテレビや3DS。 |
2 | 自動車の騒音が消えること。 |
3 | ビデオ通話。 |
4 | 2D画面のドラクエが復活した! |
5 | 「人間対人間の試合を見たいニーズ」があったので、AIが発達しても将棋はなくならなかった! |
6 | 音声認識ソフト。 |
7 | 電子書籍より、紙の本にも良さがある。 |
以上、ここまで。詳しくは記事をお読み下さい。
ここに、VRも加わるかもしれません。イマイチ、普及しないからです。
今回の記事では、逆に、「飛躍した進化の事例」について述べていきます。
興味がある人は続きをお読み下さい。
1 飛躍した進化の事例。
「飛躍した進化」とは、「一気に前時代の技術をすっ飛ばして普及して、効果を上げたモノ」を指すこととします。
具体例を見ていきましょう。
1 途上国ではいきなり携帯(スマホなど)が普及しました。
日本では、固定電話回線、ISDN、ADSL、光回線、WiFiなどと、どんどんネット環境が進化し、良くなっていきました。
そして、途上国では固定電話回線、ISDN、ADSLなどをすっ飛ばして、無線のネット方式が普及することとなりました。
例えば、以下の記事にあるように、パラグアイではインターネットの普及率は4.5%に過ぎませんが、携帯電話の普及率は約65%に達しています。
http://digitalcore.info/post_167.html
途上国のネットは無線・携帯から――パラグアイの事例
以下、一部、引用します。
通信回線サービスの国家・企業独占、高い携帯電話の普及率、マイクロウェーブという無線方式によるインターネット接続というパラグアイの特徴は、もしかするといくつかの途上国に共通するひとつのパターンなのかも知れない。
日本や欧米先進国が歩んできた、まず有線回線とデスクトップPCによるインターネット利用があり、しだいに回線高速化、無線・移動共存化へと進んだステップとは異なる発展段階があることを実感した。以上、ここまで。
途上国では、日本が歩んできた技術をすっ飛ばしたのです。
まぁ、現代の最新の技術を安価で利用できるなら使うのが当たり前ですから、途上国も例外ではないのでしょう。
2 信用スコア化により、中国の治安が一気に良くなった。
中国ではあらゆるデータが集められ、信用スコアとして数値化されています。
良い行いをした人は高いスコアが出て、悪い行いをした人は低いスコアが出るようになります。
なので、皆が、「信用されるために、信用スコアを上げて、良い行いをなるべく行うようになっている」のです。
以前の中国は、他人を信用できない社会であり、信用を確かめるのに多大なコストがかかり、生きにくく、非効率な世の中でしたが、一気に治安が改善したのです。
つまり、「日本の伝統的な日本人の国民性による道徳社会の治安の良さ」に、中国はシステム化により、キャッチアップしてしまったのです。
(日本に一気に追いついてしまったのです)
さて、信用スコアのシステム化の背景には、キャッシュレス化があり、データを集められることから、可能になりました。
中国ではキャッシュレス社会が進み、現金やクレジットカードよりも、即時決済が可能になり、今までは「金銭払いの面倒臭さで成り立たなかったビジネス」も成り立つようになりそうです。
それに比べて、日本は全国に張り巡らされたATM網と、現金とクレジットカードが便利すぎて手放せず、キャッシュレス社会になかなか移行しませんでした。
「スモールビジネスのやりやすさ」という点で、中国に遅れを取りそうなのです。
また、キャッシュレス社会の中国はクレジットカードの普及率はまだまだです。
ですが、ある意味、「日本の技術をすっ飛ばした」と言えるのです。
中国は、クレジットカードが普及していない弱点を、逆に強みにしました。
つまり、だったらキャッシュレスが便利と思わせ、普及させ、それが信用スコア社会に結びつき、治安も良くし、スモールビジネスの可能性も拡大しているのです。
世界には銀行口座を持たない人がまだ17億人もいて、成人の4人に1人は銀行口座やモバイル口座を持っていません。
そういう国では、クレジットカードやデビットカードが浸透するのを待つより、中国のようにキャッシュレス化が進む可能性が高いといえます。
また、銀行口座をもたない人たちに向けた小口融資(マイクロクレジット)で成功したのがグラミン銀行です。
ちなみに、スモールビジネスの事例は、「ネットビジネス進化論」という本に載っているので詳しくは読んでみてください。
スモールビジネスだけじゃなく、投資・融資・保険という「金融」の3つも激変します。
また、「信用スコア社会の何が凄いか?」と言ったら、「疑うコスト」を最少化したことです。
中国では、「医療版・食べログ」みたいなサービス「平安好医生」(ピンアン・グッドドクター)がありますが、評判のいい病院をすぐに探せるのです。
(現在の利用者は3億人超)
さらに、診察が終わる頃には、アプリに処方箋が送られ、「バイク便や薬局で受け取るか」を選択でき、薬局に着いたら、すぐに調剤済みの薬を受け取れます。
日本では「医療版・食べログ」のような、普及している本格的なサービスはなく、自己責任になっています。
また、ここまでIT化されておらず、中国と差がつき始めているのです。
映画のチケットの売り方も、日本と中国では差がついています。
WeChatアプリを利用した販売方法です。
詳しくは「ネットビジネス進化論」という本で。
中国では、「疑うコスト」を減らして、「信用社会、信用スコア」となって結実しました。
自動車保険でも、信用スコアに応じて、負担額が変わるのが中国です。
さて、リクルートは、飲食店や旅館、小売店向けに、無料のPOSレジアプリ「Airレジ」を提供しています。
その狙いは、リクルートにとってお店のPOSデータを取得できるからです。
「食べログ」と「ぐるなび」にリクルートの「ホットペッパーグルメ」が対抗しようとしましたが、牙城を崩せませんでした。
ですが、「Airレジ」によるレジ打ち業務に入り込むことができれば、ライバルたちと勝負できるのです。
「どの時間にどれくらいお客さんが来客するのか」をデータで把握できれば、座席の空き状況がリアルタイムで分かります。
空いている時間帯は、料金を抑えて、お客を呼び込むことも可能です。
リクルートはリアル店舗ではうまく対処しました。
ですが、PayPayを傘下に持つヤフーが「あらゆる操作を一つのアプリ内で完結させるスーパーアプリ」となったとき、リクルートが対抗馬となれるのかは不明でしょう。
実は、スーパーアプリ社会は、中国や東南アジアでは既に当たり前となっています。
日本は「便利なコニビニやすき家などの牛丼屋」が溢れているので、スーパーアプリ社会が実現化しなかったのです。
ちなみに、こういうスーパーアプリ社会の懸念点は「少数の大手IT企業が個人データを持ちすぎて、権力を持つ監視社会になるのでは?」というモノです。
政府の規制や、市民の監視、さらに大手IT企業のモラル意識の向上などで、乗り切るしかないでしょう。
ここからは、話をマクロ方面に広げます。
話の話題がいきなり変わりますのでご注意を。
2 人口減少社会日本の解決策。
日本の人口減少社会問題はかなり深刻であり、詳しくは以下の記事で述べています。

人口減少社会とは?「人口減少社会という日本の未来。僕たちは選択肢を迫られている!」
かなりの長文なので、読むのに骨が折れるでしょうが、力作ですし、日本にずっと住むつもりなら必読です。
著者は、日本の人口は2100年に概ね8000万人前後で定常化する、のが望ましいと主張しています。
(ドイツの人口と同じレベルです)
僕は、もはや少子高齢化の急速な改善は無理だと思っており、人口減少を食い止めたいのなら、「移民しかない!」と思っています。
で、その際、中国や東南アジアで既に普及しているスーパーアプリ社会を「日本にも普及させればいいのでは?」と思ったのです。
つまり、中国と同じように「信用スコア社会」にするのです。
中国の人民のモラル意識は低いです。
ですが、既に、信用スコアにより、治安などが健全に保たれているのであれば、以下のことが言えます。
日本が将来、中国や東南アジアからの移民を受け入れても、日本が「信用スコア社会」なら、「日本が懸念している治安の悪化は深刻にならないのでは?」ということです。
もちろん、中国人や東南アジア系の移民たちが日本に定住する前提ですけどね。
移民で一番、問題視されるのは治安です。
なので、それが「信用スコア社会」により、健全になるのであれば、「移民問題の深刻さ」は緩和されるはずです。
特に、信用スコア社会に慣れた中国や東南アジア系の人であれば、日本が「信用スコア社会」を実現させていたら、「住みやすいし、適応しやすい」と感じるでしょう。
あとは、言語の問題ですね。
日本人のモラル意識は高く、中国の「信用スコア社会なんて、民度の低さの象徴だ!」とバカにしたり、他人事にしている場合じゃないのです。
過去、日本は他国の事例を他人事とし、失敗を繰り返してきました。
2004年のスマトラ沖地震での津波を教訓にしていれば、3.11の東日本大震災の津波による原発被害を想定できていたかもしれないのです。
さらに、台湾がコロナ問題で迅速に対応できたのも、過去にSARSで痛い目に遭っていたからです。
SARSで苦しんだ台湾のことを教訓として覚えておけば、日本も迅速に対応できていたかもしれなかったのです。
今度こそは、中国の「信用スコア社会」を他人事して、見なしている場合ではありません。
中国はどんどん急速に進化しており、日本に追いつき、そのうち追い越していくかもしれないのです。
とここまで書いてきましたが、一つ、懸念点があるとしたら、中国や東南アジアの移民を受け入れる際に、信用スコア社会を日本で根付かせておいても、以下のことが起こる可能性が若干あります。
それは移民が信用スコアを重要視していないか、適応できず、日本において信用スコアが低くなり、日本に住みづらくなる点です。
そうなると、母国に強制送還という措置になるかもしれないです。
または、それを逃れて、不法滞在者が街に溢れるかもしれません。
警察の摘発も追いつかないほどにです。
これは一つの最悪の想定ですが、まったく起きないとは断言できません。
しかし、もし移民を本気で受け入れる気があるなら、信用スコア社会導入を考えてもいいのではないでしょうか?
ではこの辺で。(4376文字)
このブログは個人的見解が多いですが、本・記事・YouTube動画などを元にしつつ、僕の感性も加えて、なるべく役立つ・正しいと思われる記事を書いています。
あくまで読者がさらに深く考えるきっかけとなればいいなぁという思いですので、その辺は了解ください。
参考・引用文献。
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