どうも、太陽です。(No64)
突然ですが、以下の記事にもあるように、岸田首相が異次元の少子化対策を掲げました。
https://gendai.media/articles/-/104371
岸田首相「異次元の少子化対策」への強烈な違和感…これでは子どもは生まれないと断言できるワケ
岸田首相が掲げた基本的な方向性は以下だと書かれています。
〈1〉 | 児童手当を中心とした経済的支援の強化 |
〈2〉 | 学童保育や病児保育、産後ケアなどすべての子育て家庭への支援拡充 |
〈3〉 | 育児休業の強化を含めた働き方改革の推進 |
いずれも既存政策の拡充に過ぎません。
さらに、掲げた3本柱はすべて子どもが誕生した後の「子育て支援策」です。
結婚したいのにできない人や、希望する子供数を欲しい人、つまり本当の少子化の原因である少母化などを解消できず、少子化対策になるのか疑問です。
加えて、「結婚しない、子供はもうけないという価値観の人」もいろいろな理由で増えてきました。
子育て支援策はある意味、「子供を産んで、育てるのに安心感を与えよう」という策でしょう。
しかし、以下の記事にもあるように、少母化が少子化の原因であれば、政府の政策は見当違いになります。
2020年の日本の合計特殊出生率は1.33ですが、世のお母さんは1.33人しか子どもを産んでいないわけではないのです。
詳しい計算は記事に任せますが、既婚女性は平均2人(1.94人 2015年のデータ)の子どもを産んでいます。
1985年時点から、30年後の2015年までで、母親の数が約半分になった、つまり少母化(婚姻数の減少でもある)です。
記事には「何をやっても婚姻数の増加も出生数の増加もない」と書いてあります。
なぜなら、そもそも子どもを産む対象である母親の絶対数が減少しているからです。
もし解決するなら、「強制的に結婚をさせ、強制的に3~4人以上出産する義務を負わせる」と書かれています。
少子化対策はほぼ絶望的で手遅れに近いです。
それでも、今回は僕が「岸田首相の異次元の少子化対策を超える案」を思考実験して考えてみましたので興味がある人は続きをお読みください。
1 鶏が先か卵が先か問題。
いきなりですが、以下の記事では、鶏が先か卵が先か問題の事例をたくさん書きました。
これと似たようなモノとして、因果関係(原因→結果)と、「嫌われる勇気」のアドラー心理学の目的論があります。
例えば、女医の独身率は高く、生涯未婚率(50歳時点)は35.9%(一般女性は16.4%)です。
これは女医の経済力が高く、「男性に頼らなくても生きていける」という要因は大きいでしょう。
つまり、「よほどいい男じゃないと結婚しないよ!」という表れです。
で、因果関係で言えば、「女医になった(経済力)があるから、独身になった」と言えます。
ですが、目的論からいうと、「独身になるために、つまり、そもそも男性に頼らず、経済的に自立するために、女医になった」になります。
目的論の女医もいるでしょうが、現実的には例えば理想の白馬の王子様のような男性がいたら女医も結婚しているでしょうから、「最初から独身のつもりで女医になった女性がどれだけ多いか」疑問です。
因果関係の女医もいるでしょうし、目的論の女医もいます。
しかし、「嫌われる勇気」のアドラー心理学」は目的論ありきで書いていて、それに染まり、因果関係を無視する人がいます。
「嫌われる勇気」は2020年時点で国内で228万部も売れており(世界累計だと500万部超え)、影響がそれなりにあります。
因果関係をきちんと掴んだ上で、少子化対策を立てないと解決策がズレることになります。
つまり、政府の子育て支援策は少母化対策を含んでおらず、「的外れで効果が出なさそう」ということです。
以下の記事にあるように、子育て支援は出生率に影響しないのです。
「政府支出率(家族関連支出)と出生率との間には何の相関もない」というエビデンスが示されています。
予算を振り向けるなら、「若者が若者のうちに結婚できない不本意未婚問題」及び「産みたいのにできない不本意子無し問題」のほうがマシだと言っています。
2 究極の少子化問題対策案。
ここからは「僕の考えた究極の少子化問題対策案」を書きます。
それは婚姻数の増加を狙うよりも、既婚女性に焦点を当てる案です。
既婚女性は平均約2人を産んでいますが、さらに3人目を産んでもらいたいのです。
で、現在の世帯課税から個人課税(N分N乗方式)へ移行させるのです。
フランスで効果実証済みの政策のようですが、若干、アレンジを加えます。
3人目の子供を産んだ世帯には、所得税を大幅に減税します。
3人目は年齢的にも無理という世帯には、代替案として里親制度を活用します。
里子でも3人目として受け入れた場合、所得税大幅減税を適用します。
さて、里親には以下の種類があります。
・ | 養育里親。 | |
・ | 専門里親。 | 児童虐待等を受けた子供や、非行等の問題がある子供を養育する里親。 |
・ | 養子縁組里親。 | 養子縁組が可能な要保護児童を養育する養子縁組を前提とした里親。 |
・ | 親族里親。 |
そして、里親は合計約1万2315人が登録や認定をされています。
養育里親は約1万136人です。
そのうち3441人の養育里親に、4235人の子供が委託されています。
専門里親は702人です。
養子縁組里親の登録数は4238人です。
そのうち317人の縁組里親家庭で、321人の子供達が縁組成立を目指して養育されています。
親族里親の認定数は588人です。
すべての里親を合計すると、4379人の里親家庭に、5556人の子供が生活していることになります。
里親の活用率としては、約35%程度です。
つまり、里親を存分に活かすに約3倍の里親数が必要になる計算です。
加えて、ファミリーホームというモノが全国に372ホームあり、1548人の子供が委託されています。
つまり、合計7104人の子供が、一般の家庭である里親家庭・ファミリーホームで生活しています。
7104人という数字は、児童養護施設と乳児院の入所児童と、里親とファミリーホームの委託児童の合計3万4690人に対して、約20.5%にあたります。
つまり、いまだに8割の子供達が児童養護施設や乳児院で生活しており、里親に引き取られた子供達は幸運なのです。
ちなみに、児童養護施設には2万4908人、乳児院には2678人の子供が入所しています。
里親になる要件は細かく決まっていて、さらに研修制度(5年ごとに更新)もあります。
詳しくは以下の本に譲ります。(名著です)
ところで、児童養護施設への措置入所や里親等に措置委託された子供が4万375人います。
その中で、里親とファミリーホームに委託された子供は6895人です。
預けられた理由は以下です。
1位 | 虐待。 | 全体の40%(2770人) |
2位 | 父母の精神疾患。 | 全体の約13%(919人) |
3位 | 父母の死亡。 | 全体の約11%(768人) |
その他。 |
児童養護施設の場合は以下です。(2万7036人います)
1位 | 虐待。 | 45%(1万2210人)。 |
2位 | 父母の精神疾患。 | 16%(4209人)。 |
3位 | 経済的理由。 | 5%(1318人)。 |
4位 | 拘禁。 | 5%(1277人)。 |
その他。 |
上記の理由から切り離されたわけで、多くの保護された子供たちは、問題を抱えています。
学業状況に関していうと、里親で23%、ファミリーホームで38%の子供に遅れがあるとのことです。
しかし、里親家庭の63%の子供は特に問題がありません。
通学状況でも、77%の子供が普通に通っています。
一方で、里親家庭に委託された子供達の心身の状況は25%にあたる1340人が何らかの障害を抱えており、以下のようになっています。
1位 | 知的障害。 |
2位 | 広汎性発達障害(自閉症スペクトラム)。 |
3位 | 注意欠陥多動性障害(ADHD)。 |
4位 | 反応性愛着障害。 |
ファミリーホームだと、47%にあたる703人が同じ傾向にあります。
つまり、問題児が「普通の家庭の比率より多い」といえます。
さて、以下の記事には、メンタルヘルスに重要なのはマタリング(他の人から重要視されること)だと書かれています。
記事から一部を抜粋します。
認知度 | あなたに注意を払ってくれる人がいるかどうか? |
重要度 | あなたの幸福に心から関心を持ってくれる人が周囲にいるかどうか? |
信頼度 | サポートやアドバイスを求めて、あなたのところにやってくる人がいるかどうか? |
これが満たされていないと、メンタルヘルスや人生の満足度に悪影響があります。
記事にはマタリングテストが掲載されており、僕がやった結果は以下です。
認知度は3.5、重要度は3.2、信頼度は4.0でした。(3.5あれば高い方だそう)
あなたに注意を払ってくれる人がいるかどうか?の認知度は、児童養護施設や乳児院の入所児童は感じにくいでしょう。
ですから、里親の役割はかなり大きいのです。
(信頼できる大人がいるのは大事)
ところで、里親は養子縁組とは違い、実親がいて、いずれ元の場所に戻すのが前提の仮の親です。
しかし、実の家族と交流がある子供は里親家庭では28%(1511人)しかいません。
70%(3782人)はまったく交流がありません。
ファミリーホームの場合は、交流のある子供が54%(821人)で、まったく交流のない子供は37%(559人)です。
児童養護施設の場合は、2万7026人いますが、交流のある子供は72%(1万9336人)、交流のない子供が20%(5391人)です。
つまり、里親の子供達は里親以外に拠り所がない子供が多いです。
また、養子縁組に将来的に結びつける里親も少数ながらいます。
そして、里親家庭の子供5382人のうち、実親家庭や親族に引き取られる見通しのある子供は11%(583人)しかいないのです。
養子縁組の予定が12%(654人)です。
自立まで里親家庭で過ごす子供は69%(3696人)います。
里親はいくら国から金をもらえるとはいえ、壮大なボランティアか、愛のある人なのです。
(実の子じゃなく、他人の子を一時的に育てるのですから)
あと、里親の76%(3208家庭)が、委託児童は1人です。
2人委託されている里親は19%(789家庭)で、3人委託されている里親は4%(166家庭)、4人委託されているのだと1%(42家庭)です。
里親は、委託される子供の数は4人まで(自分の子供を含めて6人まで)という規定があります。
ちなみに、どの子供が来るかは児童相談所の判断です。
また、里親委託には実親の承認も必要です。
ただし、年齢や性別などは、里親の希望も踏まえて検討されます。
さて、ここで本題に入ります。
里親になると、里親手当(子供1人あたり毎月9万円)と里親受託支度金(子供を新たに受け入れた際に4万4630円)と一般生活費(月額5万1610円。乳児の場合は5万9510円)などがもらえます。
専門里親の場合は、問題児を扱うためか、子供1人あたり毎月14万1000円もらえます。
なお、養子縁組里親と親族里親は里親手当はありません。
ほかにも、たくさんの種類のモノが支給されます。
詳しくは本を読んでください。
つまり、里親は確かに愛があり、適性のある人しかなれませんが、金銭面でのリターンもそれなりにあります。
で、3人目の子供を持った家庭には所得税大幅減税にし、里親も代替可能にすると、以下の流れを僕は期待しました。
1 里親の金銭面での厚遇と所得税大幅減税のインセンティブにより、里親登録者が増える。
↓
2 里親登録者が増えれば、毎年、妊娠したあとの「人工中絶の約15万件を産ませられるのでは?」という見込み。
しかし、以下の記事にあるように、反感も買っています。
『スッキリ』少子化対策で中絶件数を問題視する木曜コメンテーターに視聴者絶句「産むリスクもある」「母体の人権侵害に繋がりかねない」(消されたようです)
「すべてが経済的な理由からの人口中絶なら納得できるがそうじゃない」はそのとおりですね。
↓
3 しかし、現在の里親登録者数はいくら周知・告知活動がほとんどなされていないとしても、約1万2315人しかいません。
しかも、「他人の子供や問題児?をいくら金がもらえるからといって育てるか」かなり疑問符に。
(里親は適性がかなり必要でもある)
↓
4 しかし、とりあえず、この案を説明して、「里親がどれだけ集まるか?のサンプル調査はして欲しいなぁ」と思う。
また、以下の記事にあるように、人工子宮は実現可能だそうです。
遺伝子操作もでき、健康で知能の高い人間を生み出せるそうです。
優秀な子供なら、里親にせよ何にせよ、「育てたいというニーズはかなりあるのでは?」と感じます。
フランス式の所得税減税策でも効果はあるかもしれませんが、僕は里親制度を追加しました。
また、里親手当の毎月9万円と、一般生活費(月額5万)をざっくり計算して、仮に10年養育したとすると、1680万円になります。
(他の費用も含めてざっくり2000万としましょう)
ひろゆきの提案した「1人産めば1000万円」より、多い額です。
しかし、僕の案の良い点は「毎年の人工中絶の15万の増加分だけに2000万がかかる」という点です。
ひろゆきの案だと、毎年の80万人の出生数に加えて、仮に20万人増加したら、100万人に1000万円を配らないといけないのです。
ですが、僕の案だと増加分だけになるので、ひろゆきの案より2倍多くかかったとしても、コスパが良いのです。
あと、以下の記事を紹介します。
加えて、結局は最終的には「移民受け入れしか解決策はないかもしれない」ので、以下の記事を紹介します。
最後に、今回の記事で大いに参考にさせてもらった名著を紹介して終わりとします。
ではこの辺で。(6291文字)
このブログは個人的見解が多いですが、本・記事・YouTube動画などを元にしつつ、僕の感性も加えて、なるべく役立つ・正しいと思われる記事を書いています。
あくまで読者がさらに深く考えるきっかけとなればいいなぁという思いですので、その辺は了解ください。
参考・引用文献。
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