どうも、太陽です。(No36)
ユニクロ・GUを擁する、ファーストリテーリングは柳井正さんが経営しており、有名会社です。
現在、日本で活動している主要な4つのファストファッションブランドは「ユニクロ」「GAP」「しまむら」「ZARA」ですね。
ファストファッションとは「早い、気軽、安い」という具合に、アパレル業界のマクドナルド的立ち位置です。
ユニクロの店舗数は、2020年11月末で、815店です。
(直営店が767、フランチャイズ店が48です)
GUの店舗数は、以下のHPに載っています。
ちなみに、ユニクロは海外にも店舗を出店しているグローバル企業であり、中国の店舗数が、日本の店舗数を2020年8月末には抜きました。
ユニクロはSPAと呼ばれる、アパレル製造小売を採用しています。
また、ユニクロは「売れ行きが確実な商品を大量生産する商売のやり方(トレンド安定)」なので、在庫を抱えるリスクが低く、海運など安価な輸送手段をとり、コストを削減できます。
グローバル企業ゆえの利点です。
GAPもSPAを採用したアメリカ発の老舗ファッションブランドですが、現在、業績低迷中です。
しまむらは、SPAを採用しておらず、小売メインです。
さらに、自社製品だけじゃなく、他社製品も多く扱っています。
しまむらの強みはローコストオペレーションであり、安さがウリです。
ZARAはグローバル企業のインディテックスという会社の所有するSPAを採用したブランドです。
インディテックス社は、ファストファッション業界で、世界最大の売上を誇ります。
「店舗にすばやく出荷し、そこで売れた商品を増産するサイクルを回す仕組み」で儲けています。
このような競合ひしめくファストファッション業界、またはアパレル業界で「日本1位のユニクロ・GU連合に勝つことはできるのか?」という素人の思考実験・仮説が今回の記事です。
あくまで、参考程度に読んでもらえたら、と思います。
注意。現場体験もしていない上に、アパレル業界に疎い僕の意見なので、あしからず。
1 僕が打ち立てた仮説。
まず、アパレル業界で日本一になるためには、リアル店舗数の拡大はある程度は必要でしょう。
以下、リアル店舗数拡大の策を考えたので、書きます。
ドン・キホーテ型のコストを極力かけない「居抜き出店」手法を使います。
「居抜き出店」とは、以前のテナントが使用していた設備や椅子、テーブルなどの家具、壁や天井の内装、などの造作を残したまま、売り渡したり貸したりする物件を利用して出店する手法 を指します。
初期費用の大幅な削減が可能ですし、開業までの時間も大幅に短縮できます。
「ファストファッション業界という美の世界にマッチするかどうか?」が懸念点です。
また、不況期を逆手にとった策も取り入れます。
アパホテルは不況期(リーマンショック)に、地下が下落した土地を購入し、それらは後に全て値上がりしました。
加えて、ニトリは「好況のときは投資を半分にし、不況になったら投資を2倍にして土地や建物を積極的に買う」という経営スタイルです。
つまり、不況期こそ、不動産物件を安く買えて、勝機のタイミングであり、チャンスなのです。
リアル店舗は「居抜き出店」と「不況期に余裕資金で積極的に安い潜在物件を買うこと」で、出店数を増やしていく戦略になります。
また、居抜き出店でも、アパレル業界でダメージを少なくする策として、BonoBosのビジネスモデルは参考になります。
Bonobosは、リアル店舗では販売を行わず、試着とショールームの場所としてだけ使い、販売はオンラインストアで行なっています。
この手法を使えば、居抜き出店のような貧乏くさそうな場所でも、試着だけし、買う時はオンラインなので恥ずかしくありません。
なおかつ「安くて良い服を買いたい層」を狙えるかなと予測します。
メインはオンラインストアであり、そのブランド・デザインは重要視し、力をかけます。
リアル店舗は、主に試着用であり、居抜き物件で手を抜き、店舗数拡大を目指します。
ショールーミング(試着だけして、違う店などで購入)されないよう、注意は必要です。
この手法は、店頭で販売せず、受け取りは自宅なので「多忙で買い物をする時間の余裕がない比較的裕福な男性顧客層」にマッチします。
見せ玉として、魅力的で高価な服も用意し、試着だけさせ、プリクラ?などの写真装置も用意し、写真代で儲けるという手も使えるかもしれません。
「きれいな服を着て、写真だけ撮りたい」というニーズはありそうです。
女性客へのイメージ向上を狙い、居抜き出店のボロ臭いイメージを低減させるのもありかもしれません。
金を使っているのは「物件ではなく、オンラインストアと服と接客」という企業戦略です。
実は、僕の戦略を使わなくても、代替できる企画案が既に発表され、実際に行われています。
それはZOZOスーツです。
ZOZOは昔、金持ちの前澤友作氏の所有していた会社でした。
ZOZOスーツは、体型を自宅にいながら計測できるので、「試着せずに、ネットから買える」という便利な発想から生まれたものなのでしょう。
しかし、ZOZOスーツはそこまで広がりを見せていません。
理由として、日本の衣料品のEC化率は10%に満たず、「リアル店舗が大半を占めているからだ」と思われます。
「ネットで服を買う」という発想が根付いていないのでしょう。
であるならば、まだまだリアル店舗の必要性は増します。
(ちなみにZOZOスーツは提供中止しています)
また、アパレル市場は約9兆円であり、その半分はトップ10の大企業が占めます。
残りの50%は中堅・中小企業2万社によって構成されています。
アパレル企業の原価率は50%程度で、利益率は1桁台だそうです。
テナントとしてショッピングセンターに出店すれば、販売管理費の大部分は固定費になります。
仮に年商100億円の企業なら、30億〜40億円程度の固定費がかかり、月間で約3億円になります。
だからこそ、「居抜き出店」&「不況期に安く買い叩く」&「見せ玉を使い、良い服を試着と写真撮影でイメージ向上」&「メインはネット販売」の組み合わせ戦略により、コストを極限まで抑える戦略を採ります。
ちなみに、BonoBosは2017年に、Walmartにより、約325億円で買収されています。
アパレル業界におけるネット販売の限界が見えた気がします。
もし仮に、リアル店舗が重荷になりそうな気配を感じたら、Pelotonという「スポーツジムのビジネスモデル」を採用する手も考えられそうです。
Pelotonのビジネスは、エアロバイクを売った後、ネットによる接続サービスをサブスクリプションで提供するビジネスモデルです。
エアロバイクは2020年9月時点で、約19万円、ウォーキングやランニングができるトレッドマシーンは約26万円です。
アプリを使った動画配信プログラムが用意され、インストラクターの指導もあります。
1万以上のトレーニング動画からオン・デマンドで選択してトレーニングができます。
アプリの会員利用料は月額4095円です。
アメリカでの、リアルのスポーツクラブの利用代金は平均で1回約4200円かかります。
エアロバイクを月払いのローンにし(月額約5100円)、会員費(月額4095円)で、合計約9200円が必要になりますが、月に3回以上利用すればリアルのスポーツクラブと同じ費用になる計算です。
また、スポーツクラブに移動する時間と手間、シャワールームや更衣室の混雑、自分のスケジュール調整が不要になります。
Peletonは、原則として自前主義です。
・タブレット、
・顧客側のソフトウェアやクラウド側のソフトウェア、
・リアルのアスレチックジム、
・ストリーム配信&オンデマンドのクラス運営、
・エアロバイクの配送業務、
・トレーニング時に着るスポーツウェア、
・水分補給用のボトル、
・アパレルや小物
も全て自前で揃えています。
Peletonの特徴は初期費用が高額なのに、会員の解約率は月に0.3%と非常に低い点にあります。
2019年に新規上場した時点で、個人メンバーは140万人に達し、「世界最大のインタラクティブ・フィットネス・プラットフォームを形成した」と思われます。
(2020年度第一四半期では、会員数は160万人超えです)
また、Peletonの強みは、顧客データにより、客離れが起きやすく、定着する点にあります。
それが解約率の驚異的低さにつながっています。
つまり、ユーザーがPeletonを継続して利用すればするほど、Peletonに顧客の健康データが長年に渡り、蓄積され、顧客は自分のデータを失いたくないので、ますます離れられないのです。
しかし、特に日本においては、Peletonの潜在的競合として、ニンテンドーのSwitchのフィットネスソフトがあると思います。
「リングフィットアドベンチャー」というソフトは人気があるようです。
リアル店舗を不況期に買いあさり、僕の案でのアパレル経営をしたとして「仮に採算が取れず、重荷になりそうなら、フィットネスに鞍替えもありかな?」という視点で述べさせてもらいましたが、実現性は不明です。
業態転換の例として、以下の事例はあります。
https://news.yahoo.co.jp/articles/2d8c827930b1f243ac53c3af82c57865aaf0b4de
レンタル店がこっそり食料品店に…「ゲオヤ」とは?
これらの僕の仮説を参考にし、活用できる企業が果たしてあるのでしょうか?
ユニクロ・GUに勝つのなら、しまむら辺りが採用できそうな気もしますが、リアル店舗を買い漁るのもリスクではあります。
(余裕資金が十分にあればチャンスに賭ける手もありそうですが)
また、しまむらはオンラインストア系が弱く、対応が難しそうです。
アパレル業界のEC化率は10%以下で、リアル店舗がまだまだ強いので、僕の仮説を参考にするのもありかもしれませんけどね。
僕も家の近くに、ユニクロやGUがなく、試着もできず、かといってネットで買うこともできず、不便だなぁとは感じていました。
(これは個人的体験談であり、サンプル1です)
WalmartがBonoBosを買収したように、日本のリアルスーパーが楽天などと提携し、楽天のファッション通販を使い、「リアルスーパーは試着の場所として使うだけ」などしたら、ユニクロ・GUの強力なライバルになりそうな予感がします。
日本のリアルスーパーはもう既に店舗を持っているので、あとは「試着できる服を揃えて置けるスペースがあるかどうか?」と「協力してくれるIT企業があるかどうか?」と「良い服を供給できるシステムが構築できるか?」になります。
服をある程度、置けて、試着室が3つぐらい揃えられるスペースがあれば十分なのです。
楽天のファッション通販が、僕の仮説を採用し、それに賛同するスーパーを集い、オンラインアパレルストア網を作ると、ユニクロ・GUに対抗できる勢力となりえるかもしれません。
スーパーに限らず、フランチャイズ的に、参加を集うのもありです。
何しろ、そこまでスペースを必要としない商売なのですからね。
「服を置いてみたい!そして買う・配送する」のは楽天に任せるのなら、楽なのです。
ZOZOを買収したYahooも使えそうなアイデアかもしれません。
ちなみに以下の記事にあるように、しまむらは好調のようです。
https://www.j-cast.com/2021/04/11408920.html?p=all
しまむら「脱テレビCM」でも業績好調 デジタル広告へシフト「低コストで売上効果も十分」
低コスト路線はやはり強いようですね。
以下、僕が今回の記事を書く上で、かなり参考にさせていただいた本を紹介し、短文書評を書きます。
「不況を乗り切るマーケティング図鑑」
4点。
僕のビジネスの企画・発想のアイデアとしてかなり参考になった本。
この本を読んだら、アイデアが次々に浮かび、個人的に星0.5点を追加した。
この本を活かせるか、活かせないかも読者次第。
不況期の乗り切り方としても参考になるので、企業の経営者は特に必読であろう。
買い推奨。
この本の内容をつぎはぎし、「日本でユニクロ・GUに勝つには?」というテーマでまとめ直し、さらに追加部分を加えたら、今回の記事が出来上がりました。
「この本さまさま」なのです。
良書を活かせるか、活かせないかはその人次第です。
ではこの辺で。(5348文字)
このブログは個人的見解が多いですが、本・記事・YouTube動画などを元にしつつ、僕の感性も加えて、なるべく役立つ・正しいと思われる記事を書いています。
あくまで読者がさらに深く考えるきっかけとなればいいなぁという思いですので、その辺は了解ください。
参考・引用文献。
https://manamina.valuesccg.com/articles/612

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