どうも、太陽です。(No28)
ゆでガエル理論とは、ゆっくりとした環境変化に対応できずに死んでしまうカエルをたとえ話に使った、危機に対応する難しさや大切さを示す教訓のことを指します。
日本もゆでガエルのように「少子高齢化を中心とした動きで、衰退する」と僕は見ています。
そして、政治家も官僚もTV局も国民も、この問題を直視せず、他人事のように振る舞います。
そして、危機意識が弱い中で、徐々に進行し、致命的なレベルまで到達し、衰退すると睨んでいます。
このテーマに興味がある人は続きをお読み下さい。
1 多くの日本人は危機感がない。
まず、「多くの日本人に危機感がまるでない」ということを強調したいと思います。
理由1 与党のまま、しかも投票率がまるで上がらない。
2021年の衆院選の投票率はかなり低いです。(戦後3番目に低い55.93)
ということは国民は「現状維持でいい、そこまで困っていない」ということを行動で示したと言えます。
与党の岩盤支持増の約3割は利権がらみなどもあります。
また、野党に魅力がないせいもあります。
それでも投票を放棄した層が約半分もいたのですから、政治に興味も期待もないのです。
加えて、「自分たちの生活はこのままでいい。それほど困っていない」層が半分います。
もしくは、「自分たちで切り開く」という人も少数派ですが、いたということでしょう。
理由2 他国ではテロや暴動が起きているのに、日本ではそこまで起きておらず(最近、増えてきた)、まだ安穏としている。
ニューヨークでは普通に「火炎瓶を投げる」という暴動が起きています。
中国の香港でも、民主化デモが起きました。
それほど、海外では国民の不満が高まっているのです。
ですが、日本ではツイッターでは騒ぎますが、リアルで暴動を起こすまでには至りません。
理由3 多くの国民は満足しており、幸せである。
橘玲氏の「上級国民/下流国民」という本によれば、ポジティブ感情が高い人か、低い人かどうかは、学歴格差であると言っています。
ポジティブ感情の高低を調べるために、日本人を「大卒」「非大卒(高卒、高校中退など)」、男女、年齢、で8つのカテゴリーに分けました。
その結果が以下です。
現代日本人のポジティブ感情。(P83から抜粋)
順位 | 性別 | 年齢 | 学歴 | 得点 |
1 | 女性。 | 若年 | 大卒 | 52.07 |
2 | 男性 | 壮年 | 大卒 | 51.81 |
3 | 女性。 | 壮年 | 大卒 | 51.72 |
4 | 男性 | 若年 | 大卒 | 50.75 |
5 | 女性。 | 若年 | 非大卒 | 49.58 |
6 | 男性 | 若年 | 非大卒 | 48.81 |
7 | 女性。 | 壮年 | 非大卒 | 48.69 |
8 | 男性 | 壮年 | 非大卒 | 47.94 |
特徴として、以下があります。
1 | 非大卒より、大卒の方がポジティブ感情が高い。 |
2 | 他の要素が同じなら男性より女性の方がポジティブ感情が高い。(壮年大卒男性は例外) |
3 | 他の要素が同じなら壮年より若年の方がポジティブ感情が高い。(若年大卒男性は例外) |
以上、ここまで。
学歴格差によって「ポジティブ感情があるかないか」が顕著に表れています。
女性はエロス資本(若さや美)があるので、男性よりポジティブ感情が高めだと思われます。
(エロス資本で、有利で華やかな職業に就けたり、金に変えられたり、男を引き寄せられます)
ちなみに、人的資本(労働力やスキルなど)、金融資本(現金や株など)、社会資本(人脈など)もあります。
また、女が男より幸福度が高い理由が本に書かれています。
(詳しくは本を読んで欲しいのですが、簡単に言えば「男は女より「不安定性」が大きい」になります)
加えて、若い人のほうが未来がありますから、基本的にはポジティブ感情が高めです。
2位の「男性 壮年 大卒」は、例えば、既得権益に守られた正規社員のおっさんですので、ポジティブ感情が高いのです。
ちなみに、ポジティブ感情とは以下になります。(P81から抜粋)
階層帰属意識。 | 自分が「上層階層」に属していると思うか。 |
生活満足度。 | 生活全般に満足しているか。 |
幸福感。 | 現在どの程度幸せか。 |
主観的自由。 | 「私の生き方は、おもに自分の考えで自由に決められる」と思うか。 |
以上、ここまで。
以上、述べてきたことから、以下のことが言えます。
大卒か非大卒か、または女性か男性かで、ポジティブ感情の高低の差はあるにせよ、ある調査で「あなたはどの程度幸せですか?」の質問に「幸福」と答えたのは男性67.8%、女性74.0%と出ています。
で、「生活全般にどの程度満足していますか?」の質問に「とても満足」「やや満足」と肯定的に答えたのは男性67.0%、女性74.1%となっていることから、大半の人は人生に満足している、と言えるのです。
人生に満足しているのなら、ある意味、危機感がなく、向上心も足りなくなると思われます。
それが選挙の投票率にも表れていますし、暴動も起きていないことにつながります。
そして、「今は生活にそれほど困っていない、むしろ幸福だ」という心理状態になっているのでしょう。
既存の社会保障制度(年金、医療、介護)が崩れかけているけれど、自分事として重大事として認識してはいないのです。
以下、社会保障制度は完全に崩れかかっており、少子高齢化により、日本は危機的な状況に陥る未来が見えているのに、重要性を自覚していない、それぞれのポジションから見ていこうと思います。
2 それぞれの立場からの社会保障制度への意識。
政治家。
老人層が大量にいて、選挙があるから、抜本的な社会保障改革ができない。
官僚。
改革の重要性は理解しているが、どうせ政治家に却下されるから、やる気がない。
年金が破綻しそうになったら保険料を引き上げる。
医療・介護保険が膨張したら給付を減らす。
それでもダメなら消費税率を少しずつ上げるという対処療法を20年間続け、老人が大量に死んだら、その後に考える。
老人が大量に死んだ20年後、どうなっているか?は神のみぞ知る状態。
ですが、最近、具体的には以下の記事の動きを政府はしました。
https://nordot.app/846925025585496064?c=39546741839462401
公的年金、0.4%下げ見通し
月903円減、2年連続
月に約900円減るのを毎年続ければ、10年後に毎月9000円減る到達点にいきます。
さらに、20年後には毎月18000円減る到達点にたどり着きます。
令和3年度の国民年金の支給額は月額6万5075円です。
このままの減額ペースでいったら、10年後には5万6075円、20年後には4万7075円になります。
今でも引退平均年齢が70歳なのに、さらに伸びて75歳ぐらいになりそうです。
年金貰えるの「いつなの?」となりそうです。
さらに、話題になった老後2000万円問題について述べていきます。
政府が老後2000万円問題での報告書を受け取らなかった理由は、野口悠紀雄氏によると以下です。
「老後2000万円あれば十分である、国が標準世帯の生活費の約7割を保障する」という約束に縛られるのを恐れたからだといいます。
さらに、それよりも実態はひどいです。
1965年以降に生まれた世代は、65歳時点で約3150万円必要だといいます。
70歳から年金支給開始される見通しだからです。
しかし、貯蓄額が3000万円を超えている世帯は全世帯で8.9%、高齢者世帯でも10.8%しかありません。
総生活保護時代が未来予想図になるのです。
それほど年金制度の持続性は深刻であり、「もはや将来、崩壊は待ったなし!」なのです。
ところで、ひろゆきが激推しするベーシックインカムは今の与党体制である限り、絶対に実現しません。
(可能性があるとしたら、維新の会が与党になることです)
ベーシックインカムの問題点として、以下がありますが、ひろゆきは答えていません。
1 | 生活保護を廃止したら、まったく働けない人はホームレスになるのか? |
2 | 月7万円のベーシックインカムを実施する際、これまで保険料を支払ってきた中高年などに支払い戻しがあるのか? |
もし、これらの問題点を解消せずに、ベーシックインカムを実施したら、得をするのは保険料をそこまで支払っていない若者(10代、20代、30代前半)になります。
そして、損をするのは、保険料をけっこう支払った中高年(30代後半、40代、50代などに)になります。
ひろゆきは金持ちでフランス在住ですから、所詮、日本のことは他人事です。
YouTubeでの顧客層は若者なので、若者向けのアピールをしておくと、好都合ではあります。
ほぼ実現しないベーシックインカムを激推しするひろゆきの意図は不明です。
(単なる若者向けのアピール?)
しかも、「ベーシックインカムの実証実験が必要ではないか?」という意見には、「いきなり実施するしかない!」と言っています。
と書いていましたが、ひろゆきは無償でパソコンや本を配っているんですよね。(日本に貢献しています)
また、老人が大量に死んだ後の20年後に「ベーシックインカムだ!」となったら、それこそ今の中高年が悲惨な目に遭います。
(ただでさえ、ロスジェネ世代は悲惨な目に遭ったのに、悲劇の再来です)
TV局。
暗い話をしても仕方ないから、日本すごい論や笑えるバラエティを流そう。
深刻な社会保障の問題などを国民に考えさせないようにしよう。
なぜなら、与党が不利になるし、視聴率も悪くなりそうなので。
(与党が不利になる情報、例えば、統一教会の件を流すなどしているTV局もあります)
国民。
政治家も、TV局もそこまで信用していないし、どうせ何も変わらない。
今の状態がそこそこ幸せだから、先のことはあまり考えないようにしよう。
周りの人に社会保障問題の話をしてもうざがられるだけだ。
また、政治家の仕事であり、私達ではどうしようもないから、見てみぬフリをしよう。
(毎日の生活や仕事が第一)
このようにして、ほとんどの人が深刻な将来の大問題(社会保障改革)を見てみぬフリをします。
まるでゆでガエルのように、またはボクシングのボディーブローのように徐々にダメージが蓄積し、いずれ破裂する、問題が深刻化すると言えるでしょう。
僕たちは、徐々に毎年毎年、増税によって、手取りが減り、貧乏になっていくのです。
そして、これが20年は最悪、続き、そのときにどうなっているか?は神のみぞ知る状態です。
20年後の日本はボロボロになっているかもしれません。(2042年です)
皆が見てみぬフリをするので、ゆでガエルのように日本は衰退し、しかも解決策がありません。
自己防衛策としては、なるべく金持ちになるか、海外移住ぐらいでしょう。
まぁ金持ちになっても、暴動や事件が頻繁に起きる社会になっている可能性もあり、怖い社会になっているかもしれませんが。
最後に、僕とは違う視点から、日本では何もしないほうが得だという主張をしている本を紹介します。
「何もしないほうが得な日本 社会に広がる「消極的利己主義」の構造」
橘玲氏推薦の新書です。興味がある人は読んでみてはいかがでしょうか?
ではこの辺で。(4396文字)
このブログは個人的見解が多いですが、本・記事・YouTube動画などを元にしつつ、僕の感性も加えて、なるべく役立つ・正しいと思われる記事を書いています。
あくまで読者がさらに深く考えるきっかけとなればいいなぁという思いですので、その辺は了解ください。
参考・引用文献。
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